自身がメンターになった際の心得
メンター制度を導入している企業は徐々に増えてきていますが、すべてが成功しているわけではありません。メンティからは「説教するだけでまったく役に立たない」という本音が多く出ているという悲しいケースもあります。そうならないよう、自身がメンターになった際の心得を押さえておきましょう。
相手を尊重する
メンターがメンティに行うのは「命令」ではありません。あくまで対話や質問によって相手の自律的な行動を引き出すことが大切なのです。上司ではなくメンターであるという自覚をもって行動しましょう。また、そのためにはメンティの話をしっかり聞く姿勢を持たなければなりません。ただ聞くだけではなく、相手の気持ちを想像して考えを尊重することが大切です。
長い目で取り組む
人が成長するにはそれなりの時間がかかります。課題に対して取り組んで、一回で結果が出なかったとしても焦ってはいけません。まずはチャレンジしたという姿勢を評価してあげてください。
そして面談の日程・時間調整は自分だけの都合で行わないようにしましょう。お互いに抱える仕事がある中で行うものなので、お互いの時間を尊重する姿勢が必要です。また、面談をして助言を送るだけがメンターの仕事ではありません。メンティはメンターの普段の行動を模範とします。そのため、常に見られているという意識を持ち、メンティにとって目標となるような行動を心がけるようにしてください。例えば遅刻や欠勤が多い場合、メンティに人間性を疑われて信頼関係も失うことになるでしょう。
自分も学ぶ立場である
メンターは助言をする立場の人間ではありますが、それだけではなく自分自身も学ぶ機会があるという点を忘れないようにしてください。メンティからも学ぶものがあると意識することができれば、相手の話を素直に受け入れる姿勢を持てるはずです。そうすれば、相手から想像していなかった意見が飛んできても、「そういう考え方もできるんだな」という捉え方ができますし、もしかすると新たな発見が生まれて仕事に良い影響を与えることになるかもしれません。
押し付けないこと
助言を行う際に必ず付け加えておきたいのが「それに従わなくてもいい」ということです。人は上の立場の人間から指示を押し付けられると少なからず反発心を持ちます。メンティが納得できないことは無理にやらせる必要はありません。
最後に、面談などで話した内容を絶対周りに他言しないようにしてください。例え「ここだけの話」として話しても、必ずいずれは周りに広まります。それを知れば、当然ながらメンティは大きなショックを受けます。これは鉄則として覚えておいてください。
以下に、参考書籍としてメンターになった際にすべき行動を学べる一冊を紹介します。
メンティのモチベーションを高めるためのコツなどが詳しく書かれており、メンターにとって役立つ一冊です。